2015年9月9日水曜日

コミュニケーションはキャッチボールより難しい

「コミュニケーションはキャッチボール」というフレーズはよくできている。
「取れないボール」や「取りにくいボール」を投げ合うのは楽しくない。
確実にボールを受け取れば、きちんと投げ返すことができる。
ヘンなボールを投げられたら、ヘンなボールを投げたくなる。
コミュニケーションを成立させるには、きちんとボールを投げ返そう、ということか。
ところが、コミュニケーションは、キャッチボールほどうまくはできない。
ボール(情報やお話)を投げる×投げ返すだけでは、コミュニケーションはうまくいかない。

娘が小学校の低学年だった時、我が家ではボールを投げながら会話をした。娘がルールを発表した。
①ボールを持っている人だけが話をすることができる
②持っていない人は、話をしない
ふたつの単純なルールだ。
話したい人が話したいだけ話すためには、ボールを抱え込んでしまえばいい。
それでは会話は成立しない。会話を成立させるためには、ボールが移動しなくてはならない。
ボールが移動するのは、
・誰かに質問をして、答えてもらう時
・話してください、教えてくださいとお願いする時
だ。

家族は言う。
「どうして人間って、話してばっかりいるんだろう」
「どうして話を聞くのは難しいんだろう」
「自分だけが話すのをやめる方法はあるんだろうか」
人は話すことが好き。アウトプットが好き。話さないではいられない動物だ。当然、その反対で、聞くのは難しい。
その理由を学術的に解き明かすのは学者先生にお願いするとして、
「自分だけが話すことをやめる方法」は、ある。
もし、自分が
「いつも話過ぎているな」
「みんなは私のことをおしゃべりばかりしていると思っているな」
「自分では話したいという欲求をなかなか抑えきれない」
といった症状のある方にはお勧めする方法。
単純明快。
「他人に話させる」ことだ。
自分が話を我慢することは難しい。抑えようとすればするほど、ストレスはマグマのごとくに噴き出してくる。
自分も話したいけど、まずは「話させる」ことを優先してやってみる。話し終わった相手は、
「ああ、存分に話したなぁ」という満足感があると、「聞き手にまわること」ができる。
その瞬間に、待ってましたとばかり、こちらが話を始めればいいのだ。

では、「他人に話をさせる」ためには何をするか。
・質問する
・「話して」とお願いする

このふたつしかない。
そして、このふたつであれば、簡単にできる。
きっと、簡単に、できる。

あなたは、自分が話すほうですか? それとも
相手に話をさせるスキルを十分に備えているほうだと言えますか?

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