2016年12月31日土曜日

今年の10大ニュース_2016

2106年が幕を閉じようとしています。
皆様はどんな一年でしたでしょうか。

私にとっては、
「今まででいちばん早く過ぎた一年」だったでしょうか。
昨年12月に大きな仕事が一時中断となり、途方に暮れてスタートした新年。
心労?なのか不安?なのか、足が痛み始め、半年は不自由な生活に。
それでもクライアントは事務所をたずねてくれるし、
美味しいものを食べたいと友人は手土産をもってきてくれる。
お酒の量は減ってもお客様の数は増えた一年ではありました。

今年もいろいろありましたが、中でも記録に残しておきたい10大ニュースを選びました。

1. 痛風?再発

まず、足の裏が痛くなった。歩きづらいな、と思った。
次に甲が痛くなった。痛みが回ってきた感じ。
きっと、足裏筋膜炎だな。ちょっとストレッチを強くやりすぎたなと思っていた。
すると次は足首全体が痛くなり、病院に行った。
高尿酸血症で服薬していたことがあることを知ると、整形外科医は
「痛風発作でしょ」と結論付けた。
痛みの種類が違うんだけどなぁ。

2. 杖

ところが薬を飲んでもなかなか痛みがひいていかない。
過去にも、起きられなくなったことが2回、ささやくように
痛いのが数回。鎮痛剤を飲めば数日で痛みは取れるのに、
今回は続いた。
生まれて初めて、杖を買った。
結局、杖の生活は2か月に及んだ。

3. 世田谷区の健康診断

そんなこともあり、区の健康診断を初めて受けた。
最低限の検診項目だから、人間ドックとは違う、お値段も500円。
そんなに不健康な人間ではないから、まずはいっかな。
かかりつけのお医者様もできたしな。
特例退職被保険者制度が適用になるのは来年9月。
しばらくは国民健康保険にお世話になろう。

4. 料理教室開校

ときどき、友人をお招きして事務所で食事をしている。
手料理でおもてなし。ディナー8回、ランチ2回、バー仕様10回。
お客様から、料理を習いたいという声があがり、料理教室を開くことになった。
季節に合わせて4品5品。12月までに5回が終わった。
「美味しい」と言われるより、
「家で何回も作っています」のほうがはるかに嬉しい。

5. 会費をいただいてフルコースディナー

友人を招いてのディナーは、言ってみればご接待。
お世話になったことへのお礼の意味がある。
「会費を支払うから料理を作ってほしい」と言われたのは初めて。
見ず知らずの方も含まれるパーティを事務所で行った。
客人は驚きの連続。そりゃそうだ。こんな事務所で
フルコースディナーが出てくるとは思わない。
満足して帰っていただけたようなので、一安心。
これからもリクエストがあればできる限り応えようと思っています。

6. D社、R社、講師再受注 H社契約更新

仕事にリピートがかかるのは幸いなこと。
お仕事を続けたい、というより、
いつまでもエッジを利かせたいと思う。

7. 新規業務受託契約

某社と新規契約を交わした。
働き方改革が求められる時代。
役員のひとりひとりが、社員ひとりひとりが自分事として動いていけるかどうか。
「会社のコーチ」としてサポートしたいと考えている。

8. 投資ふたたび

60歳を過ぎたら投資は回収、と決めていたけど、
「円高もここまでだろう」「オリンピックもあるしな」と
投資、ふたたび。
昨年から今年にかけて高低差がかなり大きかった資産も
年末には少しだけ回復しただろうか。
日経平均が20,000円を超えたとしても、
日本経済が再生しているわけではない。

9. 山梨に土地を買う

娘が学校を探していた。
八ヶ岳のふもとにあるフリースクールが気に入り、
娘とワイフが引っ越すことに。
土地を買ってしまった。
「移住ですか?」
「私は東京で仕事をしているので、娘とワイフだけです」
何度同じセリフを言ったことだろう。
娘は必ず自分がやりたいことを見つけると信じている。

10. 「会社のコーチ」開始

「会社をコーチする」という考え方をスタートさせた。
役員をコーチするし、社員もコーチする。
役員会のファシリテーションも行うし、社員ミーティングにも参加する。
研修講師も行うし、大量のフィードバックも行う。
会社のあちらこちらに顔を出しながら、会社全体をコーチする。
コンサルタントではない自分ができることは、そんなことだと確信して。
営業もしないとな。
来年、本格的に展開できればと思っている。

次点 40年ぶり?ものもらいができた

足が痛くなったし、歯も何本か直した。
耳がじゅくじゅくしたり、股関節が硬くなったり。
いろんなところにひずみが出てきている。
そうだ、ものもらいもできた。
健康って、やはり大事だなと思った一年ではありました。

いろいろなことがあった一年。
みなさまにはたいへんお世話になりました。
ありがとうございました。

来年もよろしくお願いします。

                         コミュニケーション実験室
                               小篠一英

日々のこと_20161231

2016年が幕を閉じようとしている。
昨年12月に大きな仕事が突然になくなって、途方に暮れた。
それでも事務所にはお客様はおでかけになるし、友だちもやって来る。
そもそも大儲けしようと思って個人事業主になったわけでもない。
求められるところに出かけて、仕事が続いていればいい。
そう思いながらの一年、皆様にはお世話になりました。
ありがとうございました。

去るものは追わず、来る酉に期待して、来年は、何をする?
目標を掲げるタイプではないが、ふたつやりたいことを書いておく。
ひとつは、
「会社をコーチする」という考え方を展開したいということ。
もうひとつは、
「本を出す」こと。

来年の今日、どんなコメントができるか、楽しみだ。

2016年12月3日土曜日

日々のこと_20161203

昨年から、ドイツのパン「シュトレン」を焼いている。
12月になったので、焼きはじめた。
昨年の経験をえて、ちょっとバージョンアップしている。
 
クリスマスまでの2~3週間、毎日一切れずついただき
日々しっとりしていく経過を楽しむお菓子。
プレゼントした方は、初日に半分くらいを食べる人が多数。
3日もすると、「もうなくなったと」メールが来る。
ゲストにはふたつくらいあげたほうがいいということか。
1日3回オーブン使うのはちょっとな。
 
今年は何回焼くのだろうか。
パーティもあるしな。
それでも、
皆さんの喜ぶ顔が見られるのは、嬉しいものだ。

2016年11月12日土曜日

日々のこと_20161112

今年は栗の当たり年でしょうか。
雨栗日柿。雨は栗の実を大きくするらしい。

小布施の栗は36gの大粒。
素揚げにして、砂糖塩をまぶしてみました。
5分ほど茹でた栗は鬼皮をむき、
渋皮のまま中火で5分ほど素揚げ。
砂糖と塩はほぼ同量。好みでどちらかを多くしていい。
一日経つと砂糖と塩が湿気で溶けて、
なんだかつやっぽい。

最近、日々のことはお料理ばかり?
そう、料理もコミュニケーションのひとつですから。

2016年10月19日水曜日

日々のこと_20161019

栗の渋皮煮を作った。
 
固い殻をむいて弱火で30分。
水にさらして柔らかくなった渋皮をこすり取る。
水を替えながら、3回繰り返す。
砂糖と塩を加えて、さらに30分。
煮汁とともに冷してできあがり。
 
渋皮をどれだけきれいに取るかで、仕上がりが違う。
砂糖の量が半端なく多い。
控えめに入れたら、甘さが足りない。
作った日はかなり渋みがあったものの、
3日もすると甘さがまわって味わいがいい。
 
次回は、もっときれいに作るぞ。

2016年10月18日火曜日

「ありがとう」をたくさん使う歯医者さんに会った話。

6月から歯医者に通っている。
学生時代にアメリカンフットボールをやっており、
マウスピース文化もなかったので毎年歯医者に通っていた。
賃貸マンションの階下にその歯医者はあり、今思うと、相当の名医だった。
以降30年ほど歯医者にはお世話にならなかったのだから。
それがここ数年、事情が変わってきた。
かぶせていたものが突然取れたり、歯が欠けたり。
町内歯医者に行くも、どうもしっくりこないことが続いていた6月に、
また歯が欠けてしまい、途方に暮れた。

そして、駅近くの比較的若い院長だという歯医者に行って驚いた。
混んでるしスタッフが多い。
大学時代に通った歯医者を含め、自分が通ったことのある歯医者は
家族経営という感じだったのに、ここは違う。
歯科医が延べ10人、歯科衛生士も延べ10人ほどいるだろうか。
ちょっとした歯の病院といった印象だった。

チャッチャと終わらせたかったので、「医師の指定はしない」と言ったのだが、
ある女医さんが、私の治療を一度した後に、「この患者は私が担当する」と
予約担当に言ったのを聞いた時にはちょっと驚いた。
「どうしてだろう」と思ったものの、「よかった」と思ったのも事実。
彼女は、患者だけではなく、サポートをしてくれる歯科衛生士たちにも
丁寧な言葉遣いで接する歯科医だったからだ。
「ありがとう」「ありがとうございます」の回数が他の歯科医と比して圧倒的に多いのだ。

ある時、彼女にこのことを話した。
「先生は、皆さんに『ありがとう』ってすごく言いますね」と。
「えっ?」とちょっと驚いたようだった彼女。
「心がけているんです」と返してくるではないか。
「心がけてるの?」
「そうなんです。前の職場が『ありがとう』をすごく言う職場だったので、
 私もそうしようと思って、やっているんです」と。
「でも、どうしてそんなことに気づいたんですか」と彼女。
「実はコミュニケーションに関する仕事をしていて、
『ありがとう』はとっても大事な言葉なんですよ」と話した。

くだんの女医は「徹底的に治しましょうね」と言って、私を脅す。
ちょこっと虫歯になっている歯を2本治療して歯医者通いが終わる。
終わってよかったと思う反面、今度行く時には彼女はもういないかもしれないなと思うと
少し残念な気さえする。

A先生、本当にありがとうございました。
そしてこれからも、患者の気持ちをよくする治療をお願いします。

2016年9月22日木曜日

日々のこと_20160922

今日は秋分の日。
毎年9月23日だと思っていたのに、今年は違う。
地球の公転時間やうるう年が関係している。
調べると22日になるのは116年ぶりとか。
このところ、たまたまずっと23日だっただけなんだな。

それにしても秋になった。
栗、豆、芋。事務所近くの甘納豆屋さんに
今年も美味しいものが並ぶ。

ご近所の常連さんが召し上がれなくなると困ると言って
インターネットやマスコミの取材には一切出ない。
先日は、贈答用の箱を作る工場がなくなったと嘆いていた。

秋はどんどんと深まっていく。

2016年9月14日水曜日

日々のこと_20160914

9月1日、あるお会社様と契約を交わした。
1社は契約を更新していただいた。

コーチも本来は契約を交わし、フィーを事前にいただき
セッションを開始するほうがいいのだろうが、
今はそうしていない。
クライアントが営業による新規のお客様ではなく、
友人知人、元クライアントの紹介だからだ。
そうであっても契約をするべきであることはわかっている。
ビジネスなのだから。
何をするのか、何に対するフィーなのかを
明確に文書にしておいたほうがいいのだろうが。
そうしたくないと思っている自分もいる。
営業をするんだったら、契約書をきちんとしなくちゃ。
作りかけで置かれたままの契約書を見て思う。

2016年9月1日木曜日

日々のこと_20160901

お料理教室を始めました。
8月はサイトやブログの更新もせずにちょっとお休みモード。
毎日暑かったですしね。って、いいわけです。
そんな中、実験室の新しい試みが始まりました。
お料理教室です。
ちょっと手がかかるなと思っている料理も
工夫次第で簡単便利な、普通に作れる定番手料理に。
料亭とまではいかなけれど、我が家でおもてなしをと思えば、
結構できてしまうものです。
お料理学校に飽きた方も初心者の方も、
満足できるものにしたいと思っています。
​月一くらいでアップしたいと思います。

2016年7月27日水曜日

日々のこと_20160727

先日、某財団のイベントに参加してきました。
アジア各地からやってきた21人が、2週間の研修を終えて
スポンサーや支援者にその成果を発表する会。
研修をサポートするチームを対象者として、3月に
コミュニケーションのトレーニングを実施したからだ。
4か月経ってチームは活気あふれる集団になっていた。
リーダー曰く「自分たちの役割をきちんと認識して、
どんどんやってくれるチームになりました」。

セミナーや研修、勉強会はきっかけでしかない。
リーダーがめざしているチーム像、研修のあり方、
キャリアパス、
いろいろなことを共有し続けたからこそ成し遂げられたのだと思う。

「落ち着いたら、皆さんでフィードバックを」と言って帰ってきた。
3月のトレーニングは、実は、まだ終了していない。

2016年6月29日水曜日

日々のこと_20160629

先日、劇団ラッパ屋の第42回公演に行ってきた。
軽妙洒脱なお笑いに人情を織り交ぜた本が得意な演出家。
テレビや舞台で活躍する劇団員に加わった客演のふたりが
絶妙の間をもったせりふ回しで観客を引きつけていた。

間。

コミュニケーションには欠かせない、時間と空間、そして所作。
言葉だけでコミュニケーションが成立するわけではないことを
芝居は教えてくれる。
はねたあと、劇団をマネジメントする社長とのおでんも
また格別。

コミュニケーションは難しくて面白い。
だから実験的なんだと、再度自分に言い聞かせた夜ではあった。

2016年6月19日日曜日

日々のこと_20160619

カウンセラーの仲間たちが事務所にやってきた。
カウンセリングという課題を共有しながら
7か月のべ150時間ほどをともに過ごした11人。
今はそれぞれの道を歩いているというのに、
メンバーのひとりが、旦那様の転勤でタイに行くというので
送別会を兼ねたお食事&お酒の会に集まってくれた。
残念ながら業務で欠席の方もいらっしゃったが、
時間を超えて楽しい一日ではありました。
 
「おめで鯛めし」だったのに、尾頭付きが手に入らず
ちょっと貧弱な見てくれではありますが、おいしくいただきました。
土鍋で鯛めし。意外と簡単なんですよ。​
「料理だってコミュニケーション」。
着々と準備は進行中です。

2016年6月10日金曜日

コーチングの成果は何で測るのだろう

ゴールが明確であれば、成果も明確であると書いた。
「資格試験に合格する」「マラソンで4時間を切る」「転職する」等々、
達成できたかどうかは明白だ。
「80%は成功だ」なんていう成果はありえない。

一方で、「売上20%増をめざす」「どこでもいいから内定をもらう」だと
「売上が19%増」「第5志望の会社からの内定」だったら、失敗なのか。
そこそこうまくいったから「いい」のか
「コーチングのおかげって言えるの?」なのか。
難しいところではある。

昨年夏からコーチをした若者がいる。
当初は仕事での悩みを抱えているということで相談にやってきた。
話を聴くと、やりたいことが複数あるのだと言う。
ゴールが漠然とあって、ゴールに向かって進んでいない自分が
悩みのタネだったようだ。

話をしていくと、「これは一番じゃない」「これとこれは矛盾している」
そんなことがだんだんとわかってきて、自分が進みたい方向が明らかになっていく。
やがて、初めて来室された時とは全く異なる選択をしてゴールを遂げることになった。

ゴールは明確ではなかったのに、思っていた以上のゴールに着いてしまう。
コーチングの醍醐味とでもいうのだろうか。

悩んでいたことがうそのように、明るい希望をもって進んでいく。
そんな姿を見られることは、コーチ冥利に尽きる。
彼の、これからの活躍が楽しみでならない。


あなたがやりたいことは何ですか。
あなたが、本当にやりたいことは何ですか。

2016年6月1日水曜日

日々のこと_20160601

先日、古い友人たちが訪ねてくれたので
手料理でおもてなしをしました。
写真はローストビーフ。
ちょっとこじゃれたお出かけや
結婚式でしか食べることのなかった西洋料理。
作ってみると意外と簡単。
 
友人もおいしいと言ってくれたこともあり、
当実験室の中にもお料理のコーナーを設けようと検討中です。

いつのオープンになるかお約束できないのですが
どうぞお楽しみに。

2016年5月15日日曜日

ファシリテーション④ ミーティングのファシリテーション

ファシリテーションについて書いています。

先日、あるクライアントと話をしていた時に思い出して、
数年前に書き物にしていたものを引っ張り出してきました。
部分ですが、ご紹介します。

-------

ファシリテーションがはやりである。
ミーティングを効率化していこうという思いが企業の細部に広がっている。
ファシリテーターを外部から招聘して会議を行うケースも増えているという。
ファシリテートは「容易にする」「楽にする」「促す」と訳があてられている。
発言を容易にし、楽にディスカッションさせ、決定を促す。
次に進めるためのスキルだ。頭ではわかっていても、なかなかできない簡単なこと。
それをルールに従って行おうと体系化したスキル。
会議やチームや組織。いろいろなレベルでのファシリテーションがあるが、
その基本を専門家に紹介していただこう。

『ファシリテーター型リーダーの時代』
 フランク・リース著、黒田由貴子著、プレジデント社刊から。

ファシリテーションのポイントは、
① 中立的な立場
② チームのプロセスを管理する
③ チームワークを引き出す
④ チームの成果が最大となるように支援する

なんだ、ファシリテーションとは、ドラッカーの言う「マネジント」を実現するための
ひとつの方法ではないか。

ここでは、ミーティングのファシリテーションの原則を、抜粋してみる。
・どうしても必要な時にだけ会議を開く
・妥当な成果を出すことに集中する
・時間を節約するために、必要であればあらかじめ参加者に宿題をだしておく
・全員が参加し、集中し、グループのシナジーと創造性を
 最大限に引き出す会議を設計することに時間をかける
・出席すべきメンバーが必ず出席するように働きかける
・予定した時間に開始し、終了する
・グループの焦点を成果に絞らせる
・開放的で信頼感にあふれる雰囲気を作るために、
 気分転換やちょっとした懇親のための時間を設ける
(ただし無駄に時間を使わないこと)
・作業方法、視覚的な資料、デモンストレーション、色使い、講演者の選定には、
 楽しさや変化をつける
・参加者の都合や予定に配慮し、会議時間は長くしすぎない
・会議が長時間に及ぶ場合には、参加者がその重要性を理解しているかを確認し、
 出席する価値のある会議にするように配慮する
・目標達成までのプロセスで障害にぶつかったり、行き詰ったりしたときには、
 いったん会議を終了させるかどうか、グループに判断させる

いかがだろう。
あなたが主催する会議やミーティングは以上の原則が貫かれているだろうか。
主催者であるあなたは認識できているだろうか。
出席者はどうだろう。あなたが認識しているとして、
あなたはそれを参加者にどうやって伝えているだろうか。

あなたが明日のミーティングをどうしようかと考えているなら、
ファシリテーターになりきってやってみることをお勧めしたい。
きっと、何かが変わると思うのだが。

2016年5月1日日曜日

日々のこと_20160501

先日、友人のお嬢様がアルバイトをしている
銀座のギリシャ料理に出かけました。

スタッフたちがとても明るい表情で
お料理も珍しいものばかり。
クールなお店でホットなひとときを過ごしました。

人は笑顔でいることで、ちょっと気分が楽になります。
笑顔を見ることでも、気持ちが和らぎます。

そういう時間をどれくらい持てるのか。

いつも笑顔に囲まれているようにするために
自分には何ができるのだろうか。
自分がどうしていたら、周りの皆さんも自分も
安らいだ気分でいられるのだろう。
そんなことを感じた一日でした。

あなたは、自分の笑顔に何点をつけますか。

2016年4月26日火曜日

ファシリテーション③ ルールを守る

ファシリテーションの話をしています。
今回は、ファシリテーションのルールについて。

ファシリテーション③。
「ルールを徹底することで、ミーティングは前に進む」

ファシリテーションにはいくつかの大切なルールがあります。
メンバーとファシリテーターがルールを守ることで、
ミーティングは見違えるように進化します。
そして、ルールを守り、ルールを守らせることが
ファシリテーターの最も大切な役割のひとつなのです。

◎冒頭にファシリテーターが話すこと
・出席者に、行動承認
 ex.「本日も定刻にお集まりいただきまして、ありがとうございます。」
・欠席者については、どんな理由で来られないのかも説明
・今日、何について議論するかを確認する
・継続しているミーティングであれば、「前回の結論」を確認
・今日は「何を決める」のかをメンバーに再認識させる
・細かい約束ごとを繰り返す
 ex.「今日の書記は、〇〇さんです」
   「終了時刻は○時○分です」
   「人の発言を否定しないでください」
   「ポジティブな言葉を使ってください」
   「みんなが均等に話ができるように」  等々

◎ミーティング中、ファシリテーターが守ること
・ニュートラル
・聞く
・疑問を残さない
  発言が理解できない時、難解な時など、都度クリアにする
・発言を承認する(発言にお礼を言う)
・発言を奨励する
・反対意見も歓迎する
・均等に話をさせる
・インタラクティブに
・偏りのないように 時には視点を変えて
・ゴールを意識させる
・不必要な発言に注意を与える
・話し過ぎない
・結論に誘導しない
 ×「じゃあ、こうすることにしましょう」
 ○「じゃあ、これはどうしましょう」

◎時間を守ること
・開始予定時刻の5分前に着席
・開始時刻を厳守
 メンバーがそろっていなくても始める
・開始時に終了予定時刻を告げる
・終了予定時刻に終わる

◎結論の出し方
・「結論」は、最終的な「結論」ではなく「その日の結論」であっていい
・自らが結論に誘導しない
・できる限り、メンバーに結論を言わせる

◎ミーティングの終わり方
・参加者に成果承認
 ex.「今日も活発な議論をありがとうございました」
・「今日の結論」を繰り返す
・書記に、いつまでに議事録を回付できるかを尋ねる
・次回の予定を調整する
・参加してくれたことに謝辞を述べ、
 次回も定刻に集合してくれるよう要請する
・「忘れ物がないですか」と尋ね、実際に歩いてチェックする
・会議室を退出しなければならない時刻の10分前までに終了する

すべてを事務的にやろうとすると、ちょっと違和感も生じるので、
あくまでも自然に。
毎回繰り返さなくても、理解しているなと思われるところは省略してかまいません。
臨機応変に。
冒頭に示した「その日の結論」には到達しないかもしれません。
それでもメンバーが「この議論は確実に進んでいる」と感じることができれば
ファシリテーションの第一歩は達成していると思いましょう。

ファシリテーションは促すこと。
参加を促し、発言を促し、議論を促し、結論を出すことを促し。
ファシリテーターは、議論の中身をどうこうしようとするのではなく
議論の流れを絶やさずに、ゴールまで見届けることが求められるのです。


あなたのミーティングは、活発な意見交換がなされていますか。
ここを変えたいな、と思うところはどんなところでしょう。

チームミーティングが変わることで、
チームにどんな影響があるでしょうか。

日々のこと_20160426

先日、柳家花緑さんの落語を聞いてきました。
第33回「花緑ごのみ」。私も何回かお邪魔しています。
 
人間国宝、5代目柳家小さんの孫である花緑さん。
「古典も始まりは新作」と言いながら、
時代の話題を落語にして若い層にも人気があるのですが、
今回は古典。志ん生が得意にしていたネタも
披露していました。

「枕」はアイスブレイクで、
「口上」はファシリテーターさながら。
ひとつの「話」が「フレーム」、「フレーム」には
ひとつの「ネタ」が中心に置かれ、
全体は「4つの話=4つのフレーム」で構成されている。
会話の交信はなくとも、気持ちが通じ合うことで、
お客様には満足をもってお帰りいただく。
日本伝統の話芸には、コミュニケーションの要素がいっぱいです。
 
コミュニケーションの面白さをあらためて感じた一日、ではありました。

2016年4月15日金曜日

ファシリテーション② ニュートラルであること

前回からファシリテーションの話をしています。
今回は、ファシリテーターの基本スタンスについて。

ファシリテーション②。
「基本は、ニュートラルであること」

中立な立場で発言を受け止め、議事を進め、結論に到達できるか。
ファシリテーションの成果を決めるのは、
ファシリテーターが中立であるかどうかにかかっている。

ファシリテーターは、結論を導いてくれる人ではない。
アイディアをくれる人でもなければアドバイスしてくれる人でもない。
個人の意見に特別な賛成をするわけでもなく、反対・否定をすることもない。
だからと言って冷淡な態度を執るわけではない。
「いい」とも「悪い」とも言わない。
評価をしない。
判断をしない。

否定形が続いてしまった。
言い方を変えてみよう。

ファシリテーターは、
・参加者の意見をきちんと受け止め
・受け入れる
・気持ちを発信させるように気を配り
・発言することを促し
・発言したことを承認する
・メンバー全員に発言の機会を与え
・意見交換を活発化する
・ゴールへの方向とは異なる言及には勇気をもって警告も発する
・共有したゴールをめざして進んでいることをメンバーに意識させ
・議論が結論に至ることを歓迎する

結論は、ファシリテーターが想像・想定したものと異なっていても問題ではない。
結論に対する個人的意見を言うことはないが、
結論を出さないことについては意見を言うだろう。
ファシリテーターが結論を出すことが目的ではなく、
チーム、組織、メンバーが
自らの結論を出すことがファシリテーターの役目だからだ。

同じことが、コーチングでもカウンセリングでも言える。
コーチやカウンセラーは、常にニュートラル。

自分と意見が合わなくても、選択が間違っているとわかっていても
「それは違うな」という言い方はしない。(コーチの多くは、しない。)
自分の思いを吐露すること、自己開示すること、行動することは大いに奨励するが
思いの中身、考えていること、行動そのものに対して意見を挟むことはまずない。
(こうだ、と思える行動をするために多くの可能性を考えさせることはするだろうが)

「それは違う。こうしたほうがいい」
「そうじゃないよ、こうすべきだよ」と言っても
クライアントが従わないことを、コーチやカウンセラーは知っているから。
人は他人のアドバイスを容易には受け入れられない動物。
そしてアドバイスをもらうことで依存が起こってしまう。

クライアントの自律を阻害することを、
コーチやカウンセラーはしないのだ。

課会、部会でも、議論の場であるならば、「ニュートラル」が基本。
やっかいなのは、所属長が司会もしくはファシリテーターをやる場合。
どうしても、個人的な見解や主張が全面に出てしまい、
一方的な誘導や偏見に満ちた判断が行われてしまう危険性がある。
所属長に追従している部下が司会もしくはファシリテーターをやる場合も
所属長におもねったファシリテーションになりがちなので注意が必要。

「オレがオレが」という所属長の場合は特に注意。
警鐘を鳴らすことは重要だが、聞こえない警鐘は意味がないし、
「オレがオレが」の人は警鐘さえも受け入れないだろう。
となると、組織が組織として継続できる可能性も下がってしまう。

肝に銘じて司会・ファシリテーターの任を果たしてほしいと思う。


あなたが参加している会議は、ファシリテーションが機能していますか。
あなたがファシリテーターを命じられたら、
どんなファシリテーションをしたいですか。

2016年4月6日水曜日

ファシリテーション① それは、促すこと

ファシリテーション能力が会議の成果を左右する。

そんなこと、今では常識のようになってしまったけど、
昔は、ちょっと感覚が違っていた。
「この会議はどうして同じことばかり話し合っているんだろう」
「どうして決まらないの?決めないの?」
「定刻に始まらないし終わらない理由は、何?」
なんとなく、ただ感覚として会議に問題があることだけは気づいていた。
問題の存在を「ファシリテーション」が説明してくれた。

あちこちでファシリテーション能力が求められている。
会議だけではなく、グループの何気ない会話でも生かすことができる。
チームビルディングにも必要だ。「重要だ」かもしれない。
世の中が求めているスキルのひとつのように感じる。
数回に分けて、ファシリテーションについて書くことにする。

①ファシリテーションは促すこと。

facilitateを辞書で引くと、
・容易にする 楽にする
・促進する 促す
と出てくる。
もともとは生理学の言葉なのだろうか。
「神経経路の中を興奮が通りやすくなること」というのも出ている。

・議事進行を容易にする
・思考を楽にする
・ディスカッションを促進する
・決議決定を促す
まさに会議のための単語のよう。

生理学の言葉を借りれば、
「風通りがよくなること」
ということは、
「コミュニケーションをよくすること」
まさに、感情の授受、発信受信、人間関係をよくするための
スキルと言っていいのだろう。

 ファシリテーションは、促すこと。

そう考えると、ファシリテーションの理解は容易になる。


あなたが普段、誰かに、何かに、促されていることは何ですか。
あなたが普段、周りに促していることは何ですか。

2016年4月4日月曜日

日々のこと_20160404

先日、某公益財団法人にうかがい、研修講師をしてきました。
テーマはコミュニケーション。チームの中を、チーム間を、

あるいは外部との関係を、より活性化するために、
ディスカッションと演習で構成した3時間。

「自分たちはもっと成長できる」と、
受講された皆さんは確信していただいたようで、
とても嬉しく思います。

研修の成果はアンケートの良し悪しではありません。
実際に、研修で学んだことが組織や個人に根づくか、です。
忘れることを前提とした”研修”に限界があることは明らか。
受講された方々の地力になるような時間に、と

講師を続けています。

あなたの組織で求められている力は何ですか。 
継続・再生できる力をつけるには何が必要だと思いますか。

2016年3月19日土曜日

コーチングのスキル④ フィードバック

自分が変わるために、あるいは成長するために、今の自分に気づくことはとても大事なのですが、
なかなか自分で自分を見て気がつくことは難しい。限界があります。
そこでコーチはクライアントの行動や言動で気がついたことをフィードバックします。
「こうなってるよ」と知らせることで、「じゃあこうしてみよう」と行動するためです。
 
フィードバックはもともと電気の世界の話。
AからBまで、電気がどれだけ流れました、ということをBがAに伝えるというものです。
コーチの世界では、ふたつ。
 
・客観的事実を伝える
・主観的事実を伝える
 
ふたつを使い分けることで、効果的にフィードバックをすることができます。

・あなたは私と話しているときに、90%の時間、私の目を見て話していました。
・あなたが私の話を聞いている時に、足を組んで、腕組みもしていました。
 
これが「客観的事実のフィードバック」。
 
・私の目をじっと見ながら話してくれたので、私にはあなたの情熱が伝わってきました。
・足を組んで腕組みもしていたので、私の話は聞きたくないのかなと感じました。
 
これが「主観的事実のフィードバック」です。
 
あるとき、私の近くにいた後輩(当時25歳)が、
「小篠さんのフィードバックは受け入れられるのに、
 どうして、上司の○○さんのフィードバックは受け入れられないんでしょう」
と言います。
「どんなフィードバック?」
「あなたの言い方は、ちょっと高圧的なのよね。
 あれじゃあ、ダメだよ。
 新入社員も素直に聞けないよ」

これはフィードバックではありません。
「言い方が高圧的」と感じているのは、「上司」の感じ方か判断か。あるいは評価。
新入社員の気持ちを代弁しているつもりかもしれませんが、本当かどうかは不明。
「ダメだ」と言っているのは上司であり、上司の評価を押し付けているのと同じ。
しかも、それだけが原因で「新入社員が素直に聞けていない」と、
不確かな因果関係を断定的に伝えています。
これは、「こんなやり方じゃダメだよ」と言っているのも同じで、
到底受け入れられるものではありません。

「いつもと違って、声のトーンが強いように私には聞こえたよ。」
「そうとう頭にきているっていう感じが伝わってくるよ。」
「あなたの話を聞いていた新入社員は、今、どんな気持ちになっているだろう」
加えて、
「もし、次に同じようなことが起こったときに、あなたは新入社員にどう対応する?」
質問に答えることで、次に同じことを繰り返さなくなる可能性が高くなります。

私はフィードバックの文化を会社や組織に根づかせたいと考えています。
新入社員研修で「フィードバックとは何か」「フィードバックの方法」を伝えた上で

 1.フィードバックをする
 2.フィードバックを受け入れる
 3.フィードバックを求める

を習慣づけてみてくださいとお話をたところ、彼らは、
先輩トレーナーと交換する業務日誌に、

 「もっとフィードバックがほしい」

と書いていました。
ああ、みんな、若い子たちは成長したいんだなって、思ったことを覚えています。

人は指示命令されなくても変わっていけます。
わずかな事実を伝えるだけで、人は成長していけるのです。

2016年3月11日金曜日

日々のこと_20160311

弥生某日、某社研修所、受講者49人。
3時間をいただいてマネジメント研修を行ってきました。

ひとりでも部下を持った時からマネジメント力が必要になる。
肩書や知識だけではマネジメントはできないし、
時間と経験を重ねても優秀なマネジメントにはなれない。

 マネジメントとは何か
 マネジメントの役割とは何か
 リーダーとマネージャーは何が違うのか

そんなことをディスカッションしながら理解していただくと同時に、
部下とどういうコミュニケーションをとるのか、ワークも行う。

マネジメントの成長が会社を成長させていく。
そう信じている。

2016年3月8日火曜日

コーチングのスキル③ 承認する

コーチングのスキルで、「承認する」も重要なスキルのひとつ。
コーチングだけでなく、上司部下、親子関係でもたいへん重要な働きをするスキルです。

承認には、存在承認や成果承認というものがあります。
存在承認というのは、まさに、あなたがそこにいることに気がついていますよ。というもの。
「挨拶」が代表的です。おはよう。というのはそこにいることを知っているよ。ということ。
名前を呼ぶこともそうです。挨拶する時に、「田中君、おはよう」と言われると、田中君は、
「あ、この人は自分を見てくれている。自分に挨拶してくれた」という思いが生まれ、
帰属意識が強くなるといわれます。
行動承認は、やったことを認めること。「これをやったんだね」
「前回は5回だったけど、今回は10回できたね」
成果承認は、行動した結果、どうなったのかを認めること。
「手伝ってくれてとても助かりました。ありがとう」

アクノリッジメントを英語の辞書で調べますと、「感謝する」という意味も出てきます。
その代表的な言葉が「ありがとう」。
お願いしたことをやってくれたときには、いつでもありがとうとまず言う。
それが承認になるのです。

「承認する」のエピソードをひとつ。
娘が2歳ごろの話。
「ねえママ、この本読んでくれない?」とワイフに言うわけです。
ワイフはちょうどその時夕食の準備をしている。
ワイフが娘に「今、ご飯の準備しているから、後でね」っていうと、
娘は泣き出します。
「あやちゃんは、お母さんに本を読んでもらいたいのね。
 あやちゃんは、ご本、大好きだものね。
  でもさあ、いまご飯の準備しているから
 できないんだ。ご飯の後だったらいいよ。」って答えると、
娘は泣きません。
自分の気持ちを受け止めてくれた。
何をしたいかが伝わったとわかると泣かないのです。

「ほめて育てる」といいという方もいらっしゃいます。
「偉いね」「いい子ね」「よくやった」のような言葉たちです。

ところが、「承認」は「ほめる」こととはかなり違います。
ほめられるとやる気になるというのは確かですが、
ほめるだけでは成長しないとも言われます。
「ほめられるためにやる」ようになってしまうことがあるからです。
それよりも、達成したことを、「達成したね」と言ってあげるほうがいい。
次に、また達成しようと思うからです。

心理学者アドラーも、「誉めてもいけないし、怒ってもいけない」といいます。
事実だけを伝えるだけで十分。承認するということです。

幼児教育の専門家であった、イスラエルの学者ギノットは、著書の中で、
子どもを褒めて育てるのは良くないと言っています。
承認してあげなさいと。

スタンフォード大学のキャロル・ドウェックの調査がとても興味深い結果を出しています。
ブログの「子育て(ほめることの功罪)」をご覧ください。


名前を呼ぶのも承認。
挨拶も、ありがとうも、承認。
皆さんは普段どれくらい承認をしていますか。

承認されるといい気持になります。
いい気持になると、前に進む気持ちになります。

コーチは、クライアントが前に進むためにコーチをしているのです。

2016年3月1日火曜日

コーチングのスキル② 質問する (番外編)

コーチングスキルのふたつめとして
「質問する」について2回にわたって書いてきました。

今回は番外編。
コーチングでの実際の会話ではなく、
映画の中に面白い会話があるのでご紹介します。

邦題「きみに読む物語」(原題"The Notebook")は2004年の米国作品。

主人公アンは貧しい青年ノアとひと夏の恋に落ちる。
両親に引き裂かれたアンは7年後に裕福な弁護士と婚約するが
ノアを訪ね、7年前の愛を確かめあう。
アンは、自分がどうすればいいのか不安になる。
そして、7年前と同じように口喧嘩。
だったらもういいわ、ってな調子で去ろうとするアン。

ノアは、アンに何度も質問する。
「君の気持ちはどうなんだ」と。

"Would you stop thinking about everyone wants?"
"Stop thinking about I want, he wants, parents want."
"What do you want?"
"What do you want?"
"W H A T  D O  Y O U  W A N T ?"
"What do you want?"

「周りがどうしたいかなんか考えないでほしい。
 僕の気持ちはどうでもいい。
 君がどうしたいかなんだ。
 婚約者や両親がどう思おうと、関係ない。
 本当は君はどうしたいんだ。
 君がどうしたいか、なんだ」

と迫るノアに、アンが答える

"I have to go."
「私、行かなくちゃいけない」

ノアは、その一言を聞いて歩き去っていきます。

人は、どうしても、自分の頭の中にある
固定観念や常識、べき論、建前、傍目、体裁、遠慮、気遣いに拘束される。
そうではなく、
 自分はどう思っているのか
 自分はどうしたいのか
 自分の気持ちを大切にしようよ
とノアは必死になるのに、アンは
「こうしなければならない」
と答えてしまう。

"I wanna go." ではなく、"I have to go."
質問の答になっていないと深刻になるより
人は、そういう決め方をすると考えたほうがいいのでしょう。


コーチはクライアントに何度も質問します。

「あなたはどうしたいの?」と。

あなたの心の奥底にある、
「こうしたい」
「こうなりたい」
という思いを引き出すために、コーチは

「あなたはどうしたいの?」と繰り返すのです。

決して正解を見つけさせるためではなく、
自分が何をしたいのか、どうしたいのかを考えることで
何かに気づく、何かを発見することを促しているのです。
もちろん、コーチにはその答が正しいのかどうかはわかりません。
正しくはないかもしれないけど、少なくとも、誰かの影響を受けた
他人の思い・期待・思惑に応えるような決定をくだすのではなく、
正直な自分の答を見つけようよと提案するのです。

あなたも自分に問うてみませんか。

「自分はどうしたいんだろう」
「私は何をしたいのだろう」
と。

まるで、自分が自分をコーチするように。

日々のこと_20160301

6年ほど前のクライアントが
息子と一緒に事務所を訪ねてくれました。
その夜、彼女はこんなメールをくれました。

 あれ以来、これはまずいな、と思ったら
 自分の考えや悩みを上司に相談するようにしています。
 自分自身でどうしたいか、を
 自分に問いかけながら。

相手にアドバイスを求めるのではなく、
「結局自分はどうしたいのか」
見つけるために相談する。
自分で決めていくことを習慣づけることができた
というメールは、元コーチである私にとっては、
たまらなく嬉しいメールになった。

パズルで遊んだ彼女の息子(3歳男子)も、きっと
自分で答を見つけられるおとなになっていくことだろう。

2016年2月23日火曜日

コーチングのスキル② 質問する (後半)

コーチングスキル②は「質問する」でしたが
ちょっと長くなったので、半分にしました。
今日は後半です。


コーチは質問をします。
効果的な質問ができるようにと訓練もします。
効果的とは、新たな気づきがある質問であったり、視点が変わる質問であったり。
自分の考えを深める質問であったり、行動が変わる質問であったり。

実例をご紹介します。

コーチを学ぶ人たちのトレーニングをやっているときのことです。
あるクライアントが、息子との関係がちょっとギクシャクしているという。
「どんな母親であればいいのかをコーチしてほしい」ということで、
みんなで質問を出し合いました。お母さんに投げかける質問です。
私はこんな質問はどうかと思って、してみました。

「息子さんに、『どんな母親になってほしい』と聞いたら、彼はなんと答えるでしょうね」

彼女は、「ガーンと頭を殴られた感じがした」と言いました。
息子のことを考えている自分が、母親からの一方的な視点でしかなかった
ということに気づかれたんですね。
あなたが思う理想的な母親像と、息子が思う母親がこうであってくれたら、
というのは違うんです。
「そのふたつは違うんですよ」って言っても気づかない。
自分で気づかないと自分のものにならないのです。

もうひとつ、こんなことも。

会社で私の隣に座っていたお母さん社員。小学生の男の子がふたりいます。
彼女いわく、
「息子が全く私の言うことを聞かない。私は叱ってばかり。
 自分が嫌になってしまう。どうすればいいでしょうね。」
私は言う。
「子どもは、親にああしろこうしろって言われてもなかなか聞けるものではないよ。
 あれこれ言うのはやめる代わりに、君はどうしたいって質問することできる?」

彼女の顔には、そんなことできるわけない、と書いてあるようでした。
数か月経った頃、彼女が突然言うのです。
「最近、息子が変わってきた。
 自分から、『これ、こうしたいんだけど、どうだろう』って
 言うようになった。なんか、ああしろこうしろって言わなくても、
 自分で行動するようになった」
というのです。
決してそれは、怒られる前に確認しておこうというものではなく
自分で考えるようになったようだと言うのです。

彼女は命令するのをやめていたのです。
「あなたはどうしたいの?」と聞く方法に変えていたんです。
すると、息子も変わったのだそうです。

効果的な質問といっても、すぐに「あ、こういうのが効果的なんだな」と
わかるものではないでしょう。
しかし、気づき、視点、考えを深める、行動する、といった
変化をもたらす質問は、イエス、ノーで答えられるクローズドクエスチョンでは
難しいというのはおわかりになると思います。

一方で、「念を押す」とか「確認する」場合には、
クローズドクエスチョンを意識して使います。
「来週までに、できますか」「これ、やっていただけますか」みたいにですね。
コーチはクライアントに対してときどきプレッシャーをかけます。
そういうときには、クローズドクエスチョンです。

さて、「質問する」というスキルの中で、
ちょっと気をつけていただきたいフレーズがあります。
使い方によって、相手の印象が変わる疑問詞です。

「なぜ?」という疑問詞。

たとえば、
「なぜ、できなかったの?」 は、
「ちゃんとできなくちゃダメじゃない」 というメッセージになりがち。
「なぜ、やらなかったの?」 は、
「やれって言っただろう。どうして私の言うことが聞けないんだ」
否定形と「なぜ」が重なるだけで、ニュアンスが変わります。

「何があれば、できたと思う?」
「障害になったものは何?」

と言い換えてみるだけで、メッセージは全く変わります。
人格を否定するような質問になりがちな「なぜ」。
行動に着目した質問にカタチを替えるほうが人は答えやすいものなのです。

質問はあくまでも相手の思考や感情を解放し前進させるもの。
コーチのための質問ではなく、クライアントのための質問を
こころがけたいものです。

2016年2月13日土曜日

日々のこと_20160213

今週月火と、某社鎌倉研修所に行ってきました。
新入社員を指導する役割を与えられた、若手から中堅社員を対象に
コミュニケーションスキルの研修を行ってきました。


二日間の研修で行うことは
 ・新入社員世代を理解する
 ・ケーススタディから自分たちがどうするかを検討する
 ・コミュニケーションスキルを習得する
 ・トレーナーの心得を認識する
5年目から15年目の社員たちは、新しい知識や気づきをそれぞれに得て、4月の新人入社に向けて準備を開始しました。


新人のお世話係をここまでトレーニングする会社を私は他に知りません。
大卒新人が3年間で35%が退職するという日本企業の中で
わずか3%しか辞めない秘密があるように思います。

私にとっても有意義な二日間ではありました。
ありがとうございました。

2016年2月6日土曜日

コーチングのスキル② 質問する

コーチングを知りたいという方のために、前回から
コーチングのスキルについて書いています。

第2回は、「質問する」というスキルです。


質問することも、コーチングでは大事なスキル。
 「コーチは質問しかしない」とか
 「コーチングとは質問すること」と言う人もいるくらい。

誤解ではあるのですが、
それほどまでに「質問する」というスキルは
クライアントの思考や行動を左右させるものなのです。

質問にはいろんなタイプがあります。

クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンが、大分類。
イエス、ノーで答えられるクローズドクエスチョン。
考えないと答がうかんでこないオープンクエスチョン。

オープンクエスチョンの中にも、限定質問と拡大質問があり
誰? どこ? いつ?など、答がわかっているのが限定質問。
考えないと答が出てこないのが、拡大質問。
What?  Why?  How?  何? どうして? どんなふうに?などです。

ただし、使い方によっては、拡大質問の疑問詞も、限定質問になります。

 昨日のパーティでは何を食べましたか? 

は限定質問。
昨日食べたものというのは、限定されてしまう。
思い出しさえすれば答がわかるわけで、
過去の質問はほぼ限定質問になります。
 
 来週のパーティ、あなたが幹事をするとしたら、
 どんなパーティにしたいですか。

これは拡大質問。
あなたの意見や意志、考えや感情が答を導き出す質問です。

拡大質問は、人間は思考をめぐらします。
未来の質問は多くが拡大質問になります。

コーチは、クライアントが考える質問をします。
特に、未来に向けた質問をたくさんします。
すると、クライアントの頭がどんどん回ってきます。
頭が回るとどうなるかというと、
オートクラインというのが起こります。
自分で話していることで、自分の頭が整理されてくる。
明確になってくる。確信するようになる。
そんな経験ありませんか。

オートクライン(Autocrine)は細胞生理学の言葉。
細胞が分泌するものが、他者ではなく自分に影響を与える機能のこと。
思考が巡るとでもいうのでしょうか。
コーチの質問によって、自分がどんどんと考えを進めていく。
考えを進めるだけでなく、行動するようになる。
行動することで、変化を手に入れ、達成感を味わい、
さらに変わっていくことができる。
一連のプロセスを経験すると、
自発的に、そして自律的に行動するようになります。
ですからコーチは質問をするわけです。

質問するときには注意すべきことがありますが
それはまた次回に書きましょう。


質問のスキルを簡単にまとめておきます。

 相手に考えさせる、気づかせるような拡大質問。
 過去を確かめる質問よりも、未来に向けた、思考を展開させる質問。

コーチがそんな質問をこころがけて会話をしています。


あなたは質問をされるとどんな気分になりますか。
いい質問だなと質問はどんな質問ですか。

2016年2月1日月曜日

日々のこと_20160201

2月になりました。
15年ほど前からお付き合いのあるコーチが、先月
ヒヤシンスを持って事務所を訪ねてくれました。
水裁ポットで育てるとばかり思っていたヒヤシンス。
孤独もいいけど、群れる球根もかなりいい感じ。

花言葉は、「スポーツ」「ゲーム」「遊び」「悲しみを超えた愛」
ヒヤシンスの語源であるヒュアキントスを失った
アポロンの悲しみが由来とか。

愛、といえば、個人的には
「愛とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけることである」
というE・フロムが好きですが。

2016年1月27日水曜日

コーチングのスキル① 聴く

最近お会いした方から
「コーチングについて教えてほしい」と言われました。
コーチをしてほしいというのもあるのだけど、ちょっと不安もある。
もっとコーチングの中身を知ってからお願いしたい、と。

コーチングそのものを理解したいと言う若い方は多くいらっしゃいます。
といって、50万円の費用をかけて資格を取ろうというわけでもない。
コーチングの基礎、本質、現実などを知ることで、
自分の成長につなげたい、ということかと。

そこで何回かに分けて、スキルを中心に
「コーチング」について解説していきたいと思います。

第1回は、「聴く」。


コーチングの世界で、いちばん大事、重要なスキルは
「聴く」ことです。

コーチングだけではなくて、カウンセリングでも、コンサルティングでも同じ。
コミュニケーションスキルの中でいちばん重要なのが、この、
「聴く」という行為なのです。

聴くことの効果について実例を紹介します。
私のクライアントで、当時マネージャーになったばかりの方の話。

普段は8対2の割合で話をしているクライアントに、
「部下と話すときに、割合を逆転できますか」と問い、
「実践してみてください」と要請しました。

得意先に同行した時に、彼は部下と話をしたそうです。
彼が口にしたことは
「今の仕事はどうか」
「何をしたいと思ってこの会社に入ったのか」
「自分が本当にやりたいことは何か」
そんな質問だけだったと言います。

部下は、普段話してばかりいる上司があまり話さないことに戸惑ったようですが
今日は話していいんだ、とばかりに堰を切ったように話したそうです。
およそ30分、上司であるクライアントは、うなずいたり相槌をうったり。
ただただ聴いていただけだそうです。

それ以来、部下の行動が変わります。
上司にどんどん話しかけるようになり、積極的に自分で動くようになり、
とはいえ、ポイントでは報告も怠らず、上司の指示を仰ぐようになり。
半年も経つと、チームで一番の成果を出すようになったそうです。

クライアントは言っていました。
「聴くということが、こんなに力を持っているとは思わなかった」と。


人の話を聞いてくれる人の話を、人は聴くことができる。
聴くことが大事だというけれど、
それだけが目的ではなく、いい関係を作ること。
信頼関係を確固たるものにするために、聴くのです。

信頼感を築けた関係ではたくさんのことがうまく行くはず。
皆さんもぜひ、聴くことで信頼関係を築いてほしいと思います。


では、実際に「聴く」っていうことは、何をすることなのか。

いろんな本に、聴くことの技術的な記述はあります。
もちろん、大事なことがたくさん書いてある。
でもどれだけたくさん書いてあっても、人間はすぐにはできないのが現実。

基本は次の3つと覚えてほしいと思っています。
3つができるようになってから、スキル本で詳細を学べばいいのではないかと。

1. 体全身で聴く
目、手、足、頭、顔、からだのすべてを使って聴く

2. 最後まで聴く
途中で口を挟まない 人間はどうしても話したがる動物であると知る

3. あなたが言ったことが「伝わった」ということを、相手に伝える
うなずく、あいづち、繰り返し など

この3つはフィジカルなスキル。
意識していればできるようになると思います。

メンタルやロジカルな「聴く」というスキルは、そうそう簡単ではありません。
「受容する」「共感する」「理解する」「積極的傾聴」などですが、
また別途書きたいと思います。


聴くことができるようになると、何が変わるでしょう。
聴くことであなたが得られることは何でしょう。

2016年1月12日火曜日

コーチングが終わる時。

コーチを始めるときに、クライアントにお願いすることのひとつが
「ゴールは何か」を明確にすること。
ゴールが明確であれば、達成できたかできなかったは明らかだ。

・資格試験に合格する
・転職する
・希望する会社から内定をもらう

達成できたかどうかは明白だから、コーチングに終止符を打てる。

こんな相談もある。
・自分がやりたいことは何なのかはっきりさせたい
・仕事のやり方はこれでいいのだろうか悩んでいる
・もっと積極的になりたい

感情や思考、認知によってとらえられ方が変わってくるゴールは
本人の意識に聞いてみるしかない。

「目標は達成できましたか」と。

コーチが???と思っていても、
当人が「達成できた」と思えばそれで終了となる。
忸怩たる思いがあっても、コーチングは終わる。

最近、コーチングを終了したクライアントがいる。
彼女は、当初自分が考える目標を4つ用意してきた。
セッションが続くうちに、目標は3つになりふたつになり
ひとつになっていった。
そして、最後に残ったひとつの目標を実現してコーチングが終了した。

ゴールは明確なほうがいい。
明確にすることもコーチの課題ではある。
明確であっても漠然としていても、
「コーチをつける」という行動を起こしたことで
目標を達成しコーチングを終わることができる。

コーチングが
「始まらなければ終わることはない」のと同じように
「あなたが行動を起こさなければ、何も変わらない。」

あらためてこのことを感じたクライアントではあった。


彼女はこれからどんな行動を採ってくのだろう。
楽しみでならない。