2016年3月1日火曜日

コーチングのスキル② 質問する (番外編)

コーチングスキルのふたつめとして
「質問する」について2回にわたって書いてきました。

今回は番外編。
コーチングでの実際の会話ではなく、
映画の中に面白い会話があるのでご紹介します。

邦題「きみに読む物語」(原題"The Notebook")は2004年の米国作品。

主人公アンは貧しい青年ノアとひと夏の恋に落ちる。
両親に引き裂かれたアンは7年後に裕福な弁護士と婚約するが
ノアを訪ね、7年前の愛を確かめあう。
アンは、自分がどうすればいいのか不安になる。
そして、7年前と同じように口喧嘩。
だったらもういいわ、ってな調子で去ろうとするアン。

ノアは、アンに何度も質問する。
「君の気持ちはどうなんだ」と。

"Would you stop thinking about everyone wants?"
"Stop thinking about I want, he wants, parents want."
"What do you want?"
"What do you want?"
"W H A T  D O  Y O U  W A N T ?"
"What do you want?"

「周りがどうしたいかなんか考えないでほしい。
 僕の気持ちはどうでもいい。
 君がどうしたいかなんだ。
 婚約者や両親がどう思おうと、関係ない。
 本当は君はどうしたいんだ。
 君がどうしたいか、なんだ」

と迫るノアに、アンが答える

"I have to go."
「私、行かなくちゃいけない」

ノアは、その一言を聞いて歩き去っていきます。

人は、どうしても、自分の頭の中にある
固定観念や常識、べき論、建前、傍目、体裁、遠慮、気遣いに拘束される。
そうではなく、
 自分はどう思っているのか
 自分はどうしたいのか
 自分の気持ちを大切にしようよ
とノアは必死になるのに、アンは
「こうしなければならない」
と答えてしまう。

"I wanna go." ではなく、"I have to go."
質問の答になっていないと深刻になるより
人は、そういう決め方をすると考えたほうがいいのでしょう。


コーチはクライアントに何度も質問します。

「あなたはどうしたいの?」と。

あなたの心の奥底にある、
「こうしたい」
「こうなりたい」
という思いを引き出すために、コーチは

「あなたはどうしたいの?」と繰り返すのです。

決して正解を見つけさせるためではなく、
自分が何をしたいのか、どうしたいのかを考えることで
何かに気づく、何かを発見することを促しているのです。
もちろん、コーチにはその答が正しいのかどうかはわかりません。
正しくはないかもしれないけど、少なくとも、誰かの影響を受けた
他人の思い・期待・思惑に応えるような決定をくだすのではなく、
正直な自分の答を見つけようよと提案するのです。

あなたも自分に問うてみませんか。

「自分はどうしたいんだろう」
「私は何をしたいのだろう」
と。

まるで、自分が自分をコーチするように。

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