2016年3月8日火曜日

コーチングのスキル③ 承認する

コーチングのスキルで、「承認する」も重要なスキルのひとつ。
コーチングだけでなく、上司部下、親子関係でもたいへん重要な働きをするスキルです。

承認には、存在承認や成果承認というものがあります。
存在承認というのは、まさに、あなたがそこにいることに気がついていますよ。というもの。
「挨拶」が代表的です。おはよう。というのはそこにいることを知っているよ。ということ。
名前を呼ぶこともそうです。挨拶する時に、「田中君、おはよう」と言われると、田中君は、
「あ、この人は自分を見てくれている。自分に挨拶してくれた」という思いが生まれ、
帰属意識が強くなるといわれます。
行動承認は、やったことを認めること。「これをやったんだね」
「前回は5回だったけど、今回は10回できたね」
成果承認は、行動した結果、どうなったのかを認めること。
「手伝ってくれてとても助かりました。ありがとう」

アクノリッジメントを英語の辞書で調べますと、「感謝する」という意味も出てきます。
その代表的な言葉が「ありがとう」。
お願いしたことをやってくれたときには、いつでもありがとうとまず言う。
それが承認になるのです。

「承認する」のエピソードをひとつ。
娘が2歳ごろの話。
「ねえママ、この本読んでくれない?」とワイフに言うわけです。
ワイフはちょうどその時夕食の準備をしている。
ワイフが娘に「今、ご飯の準備しているから、後でね」っていうと、
娘は泣き出します。
「あやちゃんは、お母さんに本を読んでもらいたいのね。
 あやちゃんは、ご本、大好きだものね。
  でもさあ、いまご飯の準備しているから
 できないんだ。ご飯の後だったらいいよ。」って答えると、
娘は泣きません。
自分の気持ちを受け止めてくれた。
何をしたいかが伝わったとわかると泣かないのです。

「ほめて育てる」といいという方もいらっしゃいます。
「偉いね」「いい子ね」「よくやった」のような言葉たちです。

ところが、「承認」は「ほめる」こととはかなり違います。
ほめられるとやる気になるというのは確かですが、
ほめるだけでは成長しないとも言われます。
「ほめられるためにやる」ようになってしまうことがあるからです。
それよりも、達成したことを、「達成したね」と言ってあげるほうがいい。
次に、また達成しようと思うからです。

心理学者アドラーも、「誉めてもいけないし、怒ってもいけない」といいます。
事実だけを伝えるだけで十分。承認するということです。

幼児教育の専門家であった、イスラエルの学者ギノットは、著書の中で、
子どもを褒めて育てるのは良くないと言っています。
承認してあげなさいと。

スタンフォード大学のキャロル・ドウェックの調査がとても興味深い結果を出しています。
ブログの「子育て(ほめることの功罪)」をご覧ください。


名前を呼ぶのも承認。
挨拶も、ありがとうも、承認。
皆さんは普段どれくらい承認をしていますか。

承認されるといい気持になります。
いい気持になると、前に進む気持ちになります。

コーチは、クライアントが前に進むためにコーチをしているのです。

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