2016年1月27日水曜日

コーチングのスキル① 聴く

最近お会いした方から
「コーチングについて教えてほしい」と言われました。
コーチをしてほしいというのもあるのだけど、ちょっと不安もある。
もっとコーチングの中身を知ってからお願いしたい、と。

コーチングそのものを理解したいと言う若い方は多くいらっしゃいます。
といって、50万円の費用をかけて資格を取ろうというわけでもない。
コーチングの基礎、本質、現実などを知ることで、
自分の成長につなげたい、ということかと。

そこで何回かに分けて、スキルを中心に
「コーチング」について解説していきたいと思います。

第1回は、「聴く」。


コーチングの世界で、いちばん大事、重要なスキルは
「聴く」ことです。

コーチングだけではなくて、カウンセリングでも、コンサルティングでも同じ。
コミュニケーションスキルの中でいちばん重要なのが、この、
「聴く」という行為なのです。

聴くことの効果について実例を紹介します。
私のクライアントで、当時マネージャーになったばかりの方の話。

普段は8対2の割合で話をしているクライアントに、
「部下と話すときに、割合を逆転できますか」と問い、
「実践してみてください」と要請しました。

得意先に同行した時に、彼は部下と話をしたそうです。
彼が口にしたことは
「今の仕事はどうか」
「何をしたいと思ってこの会社に入ったのか」
「自分が本当にやりたいことは何か」
そんな質問だけだったと言います。

部下は、普段話してばかりいる上司があまり話さないことに戸惑ったようですが
今日は話していいんだ、とばかりに堰を切ったように話したそうです。
およそ30分、上司であるクライアントは、うなずいたり相槌をうったり。
ただただ聴いていただけだそうです。

それ以来、部下の行動が変わります。
上司にどんどん話しかけるようになり、積極的に自分で動くようになり、
とはいえ、ポイントでは報告も怠らず、上司の指示を仰ぐようになり。
半年も経つと、チームで一番の成果を出すようになったそうです。

クライアントは言っていました。
「聴くということが、こんなに力を持っているとは思わなかった」と。


人の話を聞いてくれる人の話を、人は聴くことができる。
聴くことが大事だというけれど、
それだけが目的ではなく、いい関係を作ること。
信頼関係を確固たるものにするために、聴くのです。

信頼感を築けた関係ではたくさんのことがうまく行くはず。
皆さんもぜひ、聴くことで信頼関係を築いてほしいと思います。


では、実際に「聴く」っていうことは、何をすることなのか。

いろんな本に、聴くことの技術的な記述はあります。
もちろん、大事なことがたくさん書いてある。
でもどれだけたくさん書いてあっても、人間はすぐにはできないのが現実。

基本は次の3つと覚えてほしいと思っています。
3つができるようになってから、スキル本で詳細を学べばいいのではないかと。

1. 体全身で聴く
目、手、足、頭、顔、からだのすべてを使って聴く

2. 最後まで聴く
途中で口を挟まない 人間はどうしても話したがる動物であると知る

3. あなたが言ったことが「伝わった」ということを、相手に伝える
うなずく、あいづち、繰り返し など

この3つはフィジカルなスキル。
意識していればできるようになると思います。

メンタルやロジカルな「聴く」というスキルは、そうそう簡単ではありません。
「受容する」「共感する」「理解する」「積極的傾聴」などですが、
また別途書きたいと思います。


聴くことができるようになると、何が変わるでしょう。
聴くことであなたが得られることは何でしょう。

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