2016年10月18日火曜日

「ありがとう」をたくさん使う歯医者さんに会った話。

6月から歯医者に通っている。
学生時代にアメリカンフットボールをやっており、
マウスピース文化もなかったので毎年歯医者に通っていた。
賃貸マンションの階下にその歯医者はあり、今思うと、相当の名医だった。
以降30年ほど歯医者にはお世話にならなかったのだから。
それがここ数年、事情が変わってきた。
かぶせていたものが突然取れたり、歯が欠けたり。
町内歯医者に行くも、どうもしっくりこないことが続いていた6月に、
また歯が欠けてしまい、途方に暮れた。

そして、駅近くの比較的若い院長だという歯医者に行って驚いた。
混んでるしスタッフが多い。
大学時代に通った歯医者を含め、自分が通ったことのある歯医者は
家族経営という感じだったのに、ここは違う。
歯科医が延べ10人、歯科衛生士も延べ10人ほどいるだろうか。
ちょっとした歯の病院といった印象だった。

チャッチャと終わらせたかったので、「医師の指定はしない」と言ったのだが、
ある女医さんが、私の治療を一度した後に、「この患者は私が担当する」と
予約担当に言ったのを聞いた時にはちょっと驚いた。
「どうしてだろう」と思ったものの、「よかった」と思ったのも事実。
彼女は、患者だけではなく、サポートをしてくれる歯科衛生士たちにも
丁寧な言葉遣いで接する歯科医だったからだ。
「ありがとう」「ありがとうございます」の回数が他の歯科医と比して圧倒的に多いのだ。

ある時、彼女にこのことを話した。
「先生は、皆さんに『ありがとう』ってすごく言いますね」と。
「えっ?」とちょっと驚いたようだった彼女。
「心がけているんです」と返してくるではないか。
「心がけてるの?」
「そうなんです。前の職場が『ありがとう』をすごく言う職場だったので、
 私もそうしようと思って、やっているんです」と。
「でも、どうしてそんなことに気づいたんですか」と彼女。
「実はコミュニケーションに関する仕事をしていて、
『ありがとう』はとっても大事な言葉なんですよ」と話した。

くだんの女医は「徹底的に治しましょうね」と言って、私を脅す。
ちょこっと虫歯になっている歯を2本治療して歯医者通いが終わる。
終わってよかったと思う反面、今度行く時には彼女はもういないかもしれないなと思うと
少し残念な気さえする。

A先生、本当にありがとうございました。
そしてこれからも、患者の気持ちをよくする治療をお願いします。

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