2016年4月15日金曜日

ファシリテーション② ニュートラルであること

前回からファシリテーションの話をしています。
今回は、ファシリテーターの基本スタンスについて。

ファシリテーション②。
「基本は、ニュートラルであること」

中立な立場で発言を受け止め、議事を進め、結論に到達できるか。
ファシリテーションの成果を決めるのは、
ファシリテーターが中立であるかどうかにかかっている。

ファシリテーターは、結論を導いてくれる人ではない。
アイディアをくれる人でもなければアドバイスしてくれる人でもない。
個人の意見に特別な賛成をするわけでもなく、反対・否定をすることもない。
だからと言って冷淡な態度を執るわけではない。
「いい」とも「悪い」とも言わない。
評価をしない。
判断をしない。

否定形が続いてしまった。
言い方を変えてみよう。

ファシリテーターは、
・参加者の意見をきちんと受け止め
・受け入れる
・気持ちを発信させるように気を配り
・発言することを促し
・発言したことを承認する
・メンバー全員に発言の機会を与え
・意見交換を活発化する
・ゴールへの方向とは異なる言及には勇気をもって警告も発する
・共有したゴールをめざして進んでいることをメンバーに意識させ
・議論が結論に至ることを歓迎する

結論は、ファシリテーターが想像・想定したものと異なっていても問題ではない。
結論に対する個人的意見を言うことはないが、
結論を出さないことについては意見を言うだろう。
ファシリテーターが結論を出すことが目的ではなく、
チーム、組織、メンバーが
自らの結論を出すことがファシリテーターの役目だからだ。

同じことが、コーチングでもカウンセリングでも言える。
コーチやカウンセラーは、常にニュートラル。

自分と意見が合わなくても、選択が間違っているとわかっていても
「それは違うな」という言い方はしない。(コーチの多くは、しない。)
自分の思いを吐露すること、自己開示すること、行動することは大いに奨励するが
思いの中身、考えていること、行動そのものに対して意見を挟むことはまずない。
(こうだ、と思える行動をするために多くの可能性を考えさせることはするだろうが)

「それは違う。こうしたほうがいい」
「そうじゃないよ、こうすべきだよ」と言っても
クライアントが従わないことを、コーチやカウンセラーは知っているから。
人は他人のアドバイスを容易には受け入れられない動物。
そしてアドバイスをもらうことで依存が起こってしまう。

クライアントの自律を阻害することを、
コーチやカウンセラーはしないのだ。

課会、部会でも、議論の場であるならば、「ニュートラル」が基本。
やっかいなのは、所属長が司会もしくはファシリテーターをやる場合。
どうしても、個人的な見解や主張が全面に出てしまい、
一方的な誘導や偏見に満ちた判断が行われてしまう危険性がある。
所属長に追従している部下が司会もしくはファシリテーターをやる場合も
所属長におもねったファシリテーションになりがちなので注意が必要。

「オレがオレが」という所属長の場合は特に注意。
警鐘を鳴らすことは重要だが、聞こえない警鐘は意味がないし、
「オレがオレが」の人は警鐘さえも受け入れないだろう。
となると、組織が組織として継続できる可能性も下がってしまう。

肝に銘じて司会・ファシリテーターの任を果たしてほしいと思う。


あなたが参加している会議は、ファシリテーションが機能していますか。
あなたがファシリテーターを命じられたら、
どんなファシリテーションをしたいですか。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。