6月から歯医者に通っている。
学生時代にアメリカンフットボールをやっており、
マウスピース文化もなかったので毎年歯医者に通っていた。
賃貸マンションの階下にその歯医者はあり、今思うと、相当の名医だった。
以降30年ほど歯医者にはお世話にならなかったのだから。
それがここ数年、事情が変わってきた。
かぶせていたものが突然取れたり、歯が欠けたり。
町内歯医者に行くも、どうもしっくりこないことが続いていた6月に、
また歯が欠けてしまい、途方に暮れた。
そして、駅近くの比較的若い院長だという歯医者に行って驚いた。
混んでるしスタッフが多い。
大学時代に通った歯医者を含め、自分が通ったことのある歯医者は
家族経営という感じだったのに、ここは違う。
歯科医が延べ10人、歯科衛生士も延べ10人ほどいるだろうか。
ちょっとした歯の病院といった印象だった。
チャッチャと終わらせたかったので、「医師の指定はしない」と言ったのだが、
ある女医さんが、私の治療を一度した後に、「この患者は私が担当する」と
予約担当に言ったのを聞いた時にはちょっと驚いた。
「どうしてだろう」と思ったものの、「よかった」と思ったのも事実。
彼女は、患者だけではなく、サポートをしてくれる歯科衛生士たちにも
丁寧な言葉遣いで接する歯科医だったからだ。
「ありがとう」「ありがとうございます」の回数が他の歯科医と比して圧倒的に多いのだ。
ある時、彼女にこのことを話した。
「先生は、皆さんに『ありがとう』ってすごく言いますね」と。
「えっ?」とちょっと驚いたようだった彼女。
「心がけているんです」と返してくるではないか。
「心がけてるの?」
「そうなんです。前の職場が『ありがとう』をすごく言う職場だったので、
私もそうしようと思って、やっているんです」と。
「でも、どうしてそんなことに気づいたんですか」と彼女。
「実はコミュニケーションに関する仕事をしていて、
『ありがとう』はとっても大事な言葉なんですよ」と話した。
くだんの女医は「徹底的に治しましょうね」と言って、私を脅す。
ちょこっと虫歯になっている歯を2本治療して歯医者通いが終わる。
終わってよかったと思う反面、今度行く時には彼女はもういないかもしれないなと思うと
少し残念な気さえする。
A先生、本当にありがとうございました。
そしてこれからも、患者の気持ちをよくする治療をお願いします。
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